【クチン近郊】Semenggoh Wildlife Centre – 森の奥に住むオランウータンに会いに

Head for Kuchingのサイトにようこそ!私たちは東マレーシア・クチンの街に移住してきた家族です。今回はクチン指折りの観光地であるオランウータンの保護施設、セメンゴー・ワイルドライフ・センター(Semenggoh Wildlife Centre)を紹介します。

クチンの街から約24km、車でおよそ30分。ここがセメンゴ・ワイルドライフセンターです。

このセンターでは様々な希少動物を保護していますが、中でも特に成果を上げているのがオランウータンです。現在はその生態や行動の研究に重点を置きつつ、保護された個体から生まれた子どもたちが自然に近い環境で暮らしています。

1日2回ある餌やりの時間のみ、一般公開しています。

開園時間:午前8時〜10時、午後14時〜16時
入場料外国人 おとな RM10 (330円) こども RM5 6歳以下 無料

※園内をカートで移動したい場合は、E-BUGGY 1人+RM15 (往復) RM12 (片道)

チケットを購入する前に、チケット売り場にあるQRコードもしくは登録用の公式サイトから、名前、国籍、パスポート番号などを入力して登録を済ましておきます。

Sarawak Forestry Corporation Visitor Self Registrationのページより

チケットを購入する際に登録完了時に表示されたQRコードを機械で読み取ってもらい支払うシステムです。

チケット売り場の看板には、こんな注意書きがありました。
「フルーツシーズン到来!オランウータンに会えないかもしれません。ご了承ください。」
森に自然に果物がなっているため、わざわざ餌を取りにやってこない!?

今日は……果たして出てきてくれるのでしょうか?


森への入り口 

園内の広さも知らず、私たちは9歳の息子と一緒に歩いてみることにしました。
しかし、歩き出してすぐに後悔します。思いのほか道は上り坂
後ろからは次々とカートがスーッと追い抜いていきます

「あれに乗りたかった……!」
息子の小さなつぶやきに、私たちはちょっと苦笑い。

でも、周りはどこまでも続く深い緑。木々が風に揺れ、鳥たちの声が響きます。

森林浴というには贅沢すぎるほどの大自然。

歩くこと約20分。ようやくカートから人々が降りる姿が見えて、「ついた!」とほっと一息!

さらに2〜3分歩いて大きな広場に出ました。


今か今かと・・・

広場の周りには見学者がどんどん集まり、首を長くして待っているのですが、肝心のオランウータンの姿はありません。

説明が始まりました。
この森には、赤ちゃん3匹を含む約20匹のオランウータンが暮らしていること。
見学時にはとにかく静かに見守ること
そして、おしっこ・うんちの直撃の可能性があるのでロープの下に立たないこと。飲食もNG。傘の尖った部分を向けないことなど、自然のルールを教えてもらいます。

建物の中から飼育員が大きなバケツを抱えて登場。中にはオランウータンが大好物のバナナ
そのバナナを台の上に置いていきます。
そして、もう一人の飼育員が、オランウータンのいるであろう森に向かって呼びかけると、森の奥から「ホアッホアッ」と、かすかな応答が。


木々がざわめくとき・・・

しばらくすると……。遠くで聞こえていた「ホアッホアッ」の声がだんだん近づいてきました。
同時に、高い木々の葉がざわざわと揺れ出します。

そして——出た!

2匹のオランウータンが、木の間から姿を現しました。

スルスルとロープを伝って降りてきて、ココナッツを手で持ち、台のバナナを足で持ち、口にもくわえて、なんとも器用!

木の上で落ち着いて、ゆっくり食事タイム。

そして、手にしたココナッツを木にコンコンコンと打ちつけてパカンと割り、中の水分をゴクゴク……。
なんともたくましく、そして優雅な動き。

見守ることおよそ20分。
バナナを食べ終わったオランウータンたちは、また森の中へと静かに帰っていきました。
人間は手を出すことなく、ただただ見つめるだけ。

そこには、自然のリズムと、自然の大きさが確かにありました。まさに森の主。

まだ終わらない。ボス登場!

「よし、戻ろうか」と道を戻っている最中——
「今、大きいのが来てるよ!」と、近くにいた人が教えてくれました。

来場客たちは静かに、でも急いで大移動

そして現れたのは、さきほどとはまた違う迫力満点の大きなオランウータンでした!

成熟した雄の象徴でもあるチークパッド(頬の迫り出した部分)がありました。その堂々とした姿に、子どもも大人も息を呑み、森の空気がまたピンと張りつめました。


カフェでほっと一息

オランウータンの前では飲んだり食べたりはできませんが、近くには小さなカフェもあります。
香ばしいコーヒーや、暑い日にうれしいアイスクリームも。

おみやげ屋さんには、ぬいぐるみやキーホルダーなどオランウータングッズがいっぱい。

私たちは、記念にオランウータンの親子の置き物と、かわいいタオルを買いました。

タオル RM18.00 (約600円) 親子オランウータン置物RM26.00 (約850円)

そして、帰りは息子のリクエストに応えてカートに乗って帰りました。思った以上のスピードで、出口までたったの3分で到着。


おわりに

森の中で息をひそめて、オランウータンたちの時間に少しだけおじゃまする——
セメンゴー・ワイルドライフ・センターは、そんな場所です。

もしクチンを訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄ってみてください。
あの静かな森の奥に、今も彼らは暮らしています。

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