
Head for Kuchingへようこそ。東マレーシア・クチンへ移住した日本人家族が、ボルネオ島での日常をお届けしています。今回のボルネオ発見録は、マレーシアの屋台文化に欠かせない人気スナック「ロジャック(Rojak)」です。
そのソースの色に、まず驚く
クチンのフードコートや屋台を歩いていると、山盛りのカットフルーツに真っ黒に近い濃いソースをたっぷり絡めて、仕上げにピーナッツや粉末エビをパラパラとかけた料理をよく目にします。これが「ロジャック(Rojak)」です。

見た目のインパクトはかなりのもの。初めて目にする日本人は「え、フルーツに黒いソース?」と戸惑うかもしれません。しかし一口食べると、また次、また次と食べたくなるのがこの「ロジャック」。
ロジャックとは?
「Rojak(ロジャック)」 とは、マレー語の口語で「ごちゃまぜ」を意味する言葉です。その名の通り、さまざまなフルーツや野菜を混ぜ合わせたサラダ料理を指します。
発祥はインドネシアのジャワ島で、その歴史は古く8〜11世紀とも言われています。長い歴史の中でマレーシアやシンガポールにも広まり、各地域の食文化を取り込みながら独自の進化を遂げてきました。
マレーシアでは地域やスタイルによってさまざまなバリエーションがありますが、クチンでよく見かけるのはフルーツと野菜をメインにしたロジャックブア(Rojak Buah)スタイルです。「Buah(ブア)」はマレー語で「フルーツ」を意味します。
Wisma SaberkasのStone Iceへ
クチン市内でロジャックが食べられるお店はいくつかありますが、私が訪れたのはWisma Saberkasビル5階にある「Stone Ice」です。

2000年創業のこのお店は、クチン市民に長年愛されてきたスナックバー。レトロな雰囲気のフードコートスタイルで、ロジャックはもちろん、マレーシアのデザートABCや代表的な麺料理サラワクラクサを楽しむローカルたちの姿が見られます。
オーダーの仕方
注文方法が少し特徴的で、量り売り(pay by weight) システムを採用しています。

フルーツバーにはさまざまな食材が並び、グァバ、パパイヤ、マンゴー、スターフルーツといったいかにも南国らしいフルーツから、梨、メロン、リンゴといった馴染みのあるフルーツまで、バリエーションは豊富です。ここのフルーツや野菜はどれもフレッシュ!

フルーツ以外にも、揚げ豆腐(タウポック・写真右下)、そして「これは何?」と思わず聞いてしまったコウイカ(Cuttlefish・写真右上)も並んでいます。コウイカはロジャックでは定番食材のひとつだそうで、お店の方に教えていただきました。
さらに目を引いたのがセンクワン(Sengkuang・写真中下)。見た目は梨のようですが、イモの一種です。調べてみると梨に似たシャキシャキとした食感が特徴で甘味はあまりありません。日本では馴染みがありませんがマレーシアのロジャックには欠かせない食材のひとつだそうです。
好きな食材をトングで容器に入れて重さで値段が決まります。

1kgでRM49・1960円 (RM1.00=40円で換算)。マンゴー、スターフルーツ、グァバ、パパイヤなど南国フルーツを中心に選んで全部で260g、RM12.70 (約500円)でした。
ソースの正体
食材が決まったら、いよいよソースと和える工程です。

ロジャックの主役はなんといってもソース(クア・ロジャック)。アミエビを発酵させたペースト(ブラチャン)、ヤシ砂糖(パームシュガー)、タマリンド、チリ、醤油を合わせて作るこの黒褐色のソースは、甘み・塩気・酸味・辛みが一体となった複雑な味わいが特徴です。見た目の黒さとは裏腹に、一口食べると思いのほか爽やかで、南国フルーツの甘みとよく合います。日本の調味料に頑張って例えるなら甘辛い田楽味噌のような味。

フルーツを一口サイズにナイフで切りながらボウルに入れ、ロジャックと一緒に絡めていきます。
トッピングを選ぶ

仕上げはトッピングです。Stone Iceではエビパウダー、ブラチャン、ピーナッツ、チリの4種類が用意されていました。
ロジャックソースにも既にブラチャンは入っているので、トッピングでさらに”追いブラチャン”をする強者は、試してみるべきトッピング。
今回私は南国フルーツの味をしっかり楽しみたかったので、シンプルにピーナッツだけのトッピングにしました。慣れてきたらいろんなトッピングにも挑戦してみたいと思っています。
食べてみた感想

甘辛いソースがフルーツ全体にしっかりと絡み、一口ごとにいろんな食感が楽しめます。マンゴーの酸味、メロンの甘み、グァバのさっぱり感……それぞれが個性を持ちながらも、ソースがうまくまとめてくれています。
面白いのは、ソースをたっぷり絡めると見た目だけではどのフルーツかわからなくなること。口に入れてから「あ、これはマンゴーだ」と気づく感じで、一皿食べ終わるまで小さな発見が続きます。

「フルーツサラダ」というよりも「おやつ」や「軽食」に近い感覚で、ボリュームも十分。重さによって値段が変わりますが、1〜2人でシェアできる量が目安です。
KLやペナンのロジャックと比べると?
KLやペナン、他の地域でもロジャックは広く食べられており、基本的なスタイルは大きく変わりません。ソースのベースはどこでもエビペーストと砂糖が主役で、フルーツの種類も似ています。地域やお店によってソースの甘さや辛さのバランスに違いがあると言われていますが、劇的に異なるというよりもお店ごとのレシピの差に近いようです。
まとめ
ロジャックは、見た目こそ黒いソースのインパクトが大きいですが、食べてみると何ともクセになる味です。マレーシアが誇る東南アジア最古クラスの料理文化が、クチンのフードコートでも生き続けています。

