Head for Kuchingのサイトへようこそ。私たちはボルネオ島の東マレーシアに移住予定の3人家族です。マレーシアは、ロングステイ財団が発表した「ロングステイ希望国・地域」で15回連続で1位を獲得しています。
私たちは、東マレーシアのサワラク州が発行しているリタイアメントビザ・S-MM2Hを取得して長期滞在予定ですが、上記の人気ロングステイ希望国にも様々な長期滞在者向けのビザがあります。この記事では、2023年の上位5カ国のロングステイビザ(主に就労を目的としない3ヶ月以上滞在可能なビザ)について、申請条件をまとめました。ぜひご覧ください。
🇲🇾マレーシア
MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)
マレー半島での長期滞在ビザの代名詞と言えるMM2Hですが、2021年に資格要件が厳しく改定されたことで、申請者が90%も減ってしまったそうです。それを受けてか、マレーシア観光芸術文化省(MOTAC)は、2023年12月にMM2Hプログラムの改訂案を発表。Silver、Gold、Platinumの3カテゴリー、さらに特別経済区内で特別なインセンティブや優遇措置を受けられるSEZというカテゴリーに分けられました。
MM2H 主な要件↓ | Silver | Gold | Platinum | SEZ |
申請年齢 | 25歳以上 | 25歳以上 | 25歳以上 | 21歳以上 |
マレーシア内の銀行での 定期預金額 | 15万USドル (🇯🇵約2,400万円) (🇲🇾約RM70.5万) | 50万USドル (🇯🇵約8,000万円) (🇲🇾約RM235万) | 100万USドル (🇯🇵約1億6,000万円) (🇲🇾約RM470万) | 21〜49歳 65,000 USドル (🇯🇵約1,030万) (🇲🇾約RM 30.5万) 50歳以上 32,000 USドル (🇯🇵約510万) (🇲🇾約RM15万) |
不動産購入額 | RM60万以上 | RM100万以上 | RM200万以上 | 金額の明記なし |
就労 | 不可 | 不可 | 不可 | 可 |
有効期間 | 5年 | 15年 | 20年 | 10年 |
必要滞在日数 | 90日/年 | 90日/年 | 90日/年 | 90日/年* |
手数料 | RM1,000 (約34,000円) | RM3,000 (約10万円) | RM20万 (約680万円) | RM1,000 (約34,000円) |
(2024年6月のレート(1$≒159.5円, RM1≒33.8円)で計算/レート換算ツール:Xe )
*必要滞在日数について、SEZの21〜49歳は主申請者もしくは家族のどちらかが要件を満たす必要がある
PVIP(プレミアム・ビザ・プログラム)
リタイアメントビザというよりは、富裕層誘致を目的に2022年10月から応募が始まった長期滞在ビザ・PVIP。外国人投資家、起業家などがマレーシアで生活し、就労、または就学することが可能です。MM2Hと比べられることが多いですが、違いはPVIP下ではマレーシア国内での就労が可能なこと。ただし、手数料がかなり高額となっています。
主な要件↓ | PVIP |
申請年齢 | 年齢制限なし |
マレーシア内の銀行で 定期預金 | RM100万(約3400万円) |
国外所得 | 月額RM40,000(約136万円)、または年間RM48万(約1,630万円) |
有効期間 | 20年(さらに20年の更新可能) |
必要滞在日数 | 特に規定なし |
手数料 | RM20万(約680万円) 帯同者1人つき+RM10万(約340万円) |
S-MM2H(サラワク・マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)
S-MM2Hは、ボルネオ島(東マレーシア)にあるサラワク州が独自に発行しているリタイアメントビザ。コロナ禍でMM2Hの受付が一時止まり、その後要件内容が厳しくなったことで、S-MM2Hに注目が集まりました。
追記)2025年1月施行予定で、新要件が発表されましたので、下の表を更新しました。
主な要件↓ | 旧(現行) | 新(2025年1月〜) |
申請年齢 | 30歳以上 | 30歳以上 |
マレーシア内の銀行で 定期預金 | 単身: RM15万(約510万円) 家族: RM30万(約1,020万円) サラワクでの住宅、車の購入、医療、子供の教育の場合のみ、1年後に40%を引き出すことができる。 | RM50万(約1,700万円) 単身・家族同条件 サラワクでの住宅、車の購入、医療、子供の教育の場合のみ、1年後に50%を引き出すことができる。 |
経済*証明 | 月収(年金or月給) 単身:RM7,000(約24万円) 家族:RM1万(約34万円) OR 銀行預金 単身:RM5万(約170万円) 家族:RM10万(約340万円) | 月収(年金or月給) 単身: RM1万 (約35万円) 家族: RM1.5万(約52.5万円) OR 銀行預金 単身: RM10万(約340万円) 家族: RM20万(約700万円) |
物件要件 | 任意条件 クチン地区:RM60万(2,040万円)以上 それ以外のサラワク州内:RM50万(1,700万円)以上 | 任意条件 クチン地区:RM60万(2,040万円)以上 それ以外のサラワク州内:RM50万(1,700万円)以上 |
有効期間 | 10年(5年で更新) | 10(5+5)年、期間満了後に新規申請可能 |
必要滞在日数 | 30日/年 | 30日/年 (主申請者のみ) |
*経済証明…夫婦で申請の場合は、夫婦別名義の口座合算は不可。主申請者名義の複数口座は合算可能。
SBH-MM2H(サバ・マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)
SBH-MM2Hは、東マレーシアで新たに発表されたサバ州発行のMM2Hビザ。州都であるコタキナバルには、世界遺産のキナバル山やダイビングスポットなど観光スポットが数多くあり人気のリゾート地としても注目されています。ここで不動産市場を活性化するため考案されたビザのため、必要要件に不動産購入があります。
追記:実施開始を延期していましたが、2024年7月1日から申請受け入れを開始しました。
主な要件↓ | SBH-MM2H |
申請年齢 | 30歳以上 |
マレーシアの銀行で 定期預金 | 単身: RM15万(約510万円) 夫婦: RM30万(約1,020万円) |
国外所得 | 月収(年金or月給) 単身:RM1万(約34万円) 夫婦:RM1万5,000(約51万円) |
物件要件 | 全ての申請者はRM60万(約2,040万円)以上の不動産購入 |
有効期間 | 10年(5年で更新) |
必要滞在日数 | 30日/年 |
手数料 | RM 3,000(約10万円) |
🇹🇭タイ王国
ノンイミグラント-O-X
ノンイミグラント-O-Xは外国人旅行者の長期滞在を促進するため2016年にスタートした長期滞在ビザ。5年で更新手続きが必要ですが、最大で10年間有効です。申請可能なのは次の14カ国の国籍を持つ者:日本、オーストラリア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、スイス、イギリス、カナダ、アメリカ合衆国。
主な要件↓ | ノンイミグラント-O-X |
申請年齢 | 50歳以上 |
資産証明 | A)タイ国内の銀行の定期預金残高証明:300万バーツ(約1,300万円)以上 もしくは B)タイ国内の銀行の定期預金残高証明:180万バーツ(約785万円)以上と 年間120万バーツ(約523万円)以上の収入証明 →Bはタイ入国後に、銀行に300万バーツを入金する必要がある 証明書類は発行から3ヶ月以内のもの |
有効期間 | 10年(5年で更新)※滞在可能日数と同じ |
最低必要滞在日数 | 特に設定されていない |
出典:Department Consular Affairs, Kingdom of Thailand
タイランド・プリビレッジ(旧タイランド・エリート)
タイランド・プリビレッジは、タイの政府観光庁直営の企業「Thailand Privilege Card Company Limited」が運営する特別なビザプログラムで、長期滞在を希望する外国人富裕層の獲得を目的に、2003年に「タイランド・エリート」という名称で始まりました。(2023年10月に「タイランド・プリビレッジ」と名称を変更)4種類のカードでプランが分かれており、申請者は、カード入会審査後に入会金を支払うことで会員になります。会員はタイ滞在中に空港、ホテル、病院、リゾート、レストラン、スパ等で特別なサービスが利用可能です。
タイランド・プリビレッジ カードの種類 | Gold (ゴールド) | Platinum (プラチナム) | Diamond (タイアモンド) | Reserve (リザーブ) |
申請年齢 | なし | なし | なし | なし |
会員費 | 90万バーツ (約390万) | 150万バーツ (約655万円) | 250万バーツ (約1,090万円) | 500万バーツ (約2,180万円) |
有効期間 | 5年 | 10年 | 15年 | 20年 |
1回の入国での 滞在可能日数 ※有効期間中は何度でも入国可能 ※延長申請も可 | 1年 | 1年 | 1年 | 1年 |
最低滞在日数 | なし | なし | なし | なし |
🇵🇭フィリピン
特別居住退職者ビザ(SRRV)
SRRV(Special Resident Retiree’s Visa )はフィリピンを第二の故郷にしたい外国人のための特別な長期滞在ビザです。また、このビザ下では現地での就労も可能。また1年毎に更新手続きをする必要があります。
SRRV 主な要件↓ | Classic (クラシック) |
申請年齢 | 50歳以上 |
資産条件 | 指定の銀行に預金 年金受給していない50歳以上: 2万USドル(約320万) *年金受給者は1万USドル (約160万円) 必要な年金額 単身:月800USドル(約12.8万円)以上 夫婦:月1,000USドル(約16万円)以上 |
年会費 (更新料) | 360USドル/年 (5万8000円/年) |
滞在日数 | 無制限 |
出典:Philippine Retirement Authority
※追記:上記Classicの他にSRRVにはCourtesyという種類もありますが、フィリピン出身の元フィリピン人(50歳以上)、およびフィリピンで大使や外交官として勤務した外国人(50歳以上)を対象としたビザなので、今回の説明は割愛しました。
投資家用特別居住ビザ(SIRV)
SIRV(Special Investor’s Resident Visa)は、フィリピンへの外国投資を促進するための政府のビザプログラム。
主な要件↓ | SIRV |
申請年齢 | 21歳以上 |
資産条件 | 75,000USドル(約1,200万円)以上を フィリピンに適格な投資形態で投資する必要がある。 |
有効期限 | 必要な資格と投資額を維持できている限り有効 |
滞在日数 | 無期限 |
特別割当移住査証(Quota Immigrant Visa)
クォータービザとして知られているフィリピンの永住ビザですが、毎年各国50名しか発給されないため、取得にはハードルが高いビザと言われています。また、このビザ下では現地での就労も可能。
主な要件↓ | クォータービザ |
申請年齢 | 20歳以上 |
定期預金 | 50,000USドル(約800万円) |
滞在日数 | 無制限 |
最低滞在日数 | なし(出入国自由) |
更新 | 1年 |
🇦🇺オーストラリア
リタイアメントビザ(Subclass 410)と(Subclass 405)
扶養家族のいない退職者が、退職後の生活をオーストラリアで送りたい場合に利用できるビザでしたが、現在は新規の受付を終了しています。
投資家ビザ (Subclass 188)
オーストラリアに投資をすることで取得できる永住ビザですが、こちらも現在は新規受付を終了しております。現段階で資産を投じての永住権獲得はオーストラリアでは難しい状況のようです。
ビジタービザ(Subclass 600)
オーストラリアのビジタービザSubclass 600は、観光客、ビジネス訪問者、または家族を訪問するために3か月、6か月、または12か月滞在することを希望する人々のためのビザです。状況に応じて最大12ヶ月の滞在が可能になるようです。
主な要件↓ | ビジタービザ |
申請年齢 | 18歳未満は親の同意書が必要 75歳以上の申請者は、別途要件あり |
最大滞在日数 | 3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月 |
申請料 | 195オーストラリアドル (約21,000円)〜 |
出典:Australian Government Department Home of Affair, 在日オーストラリア大使館
🇮🇩インドネシア
ゴールデンビザ(E28C)
2023年8月に始まった投資家ビザであるゴールデンビザ。政府が定めるインドネシア国債またはインドネシア企業の株式購入に投資する者を対象にしたビザです。いくつか種類があるのですが、以下は「インドネシアで会社設立しない個人が投資をする場合(E28C)」というビザについての要件です。
主な要件↓ | ゴールデンビザ(E28C) |
申請年齢 | 年齢制限なし |
経済証明 | インドネシア滞在中の経済的証明(5,000USドル・約80万円) |
最低投資額 | インドネシア国債の購入: 35万USドル相当(5年用・約5600万円) 70万USドル相当(10年用・約1億1千万円) または インドネシアの上場企業の株式/投資信託の購入: 35万USドル相当(5年用・約5600万円)、70万USドル相当 (10年用・約1億1千万円) または アパートまたはマンション購入:100万USドル以上(10年用・約1億6千万円) |
申請費用 | 5年用:1,300万インドネシアルピア(約12万8000円) 10年用:1,950万インドネシアルピア(約19万2000円) |
有効期間 | 5年(延長可能) 10年(延長可能) ※滞在可能日数も同じ |
出典:Indonesian Immigration
シルバーヘアビザ(E33E・リタイアメントビザ)
インドネシアのシルバーヘアビザは、60歳以上で資産条件を満たす者に発行される有効期間5年のリタイアメントビザです。
主な要件↓ | シルバーヘアビザ |
申請年齢 | 60歳以上 |
資産証明 | 本人および/または家族の生活費として、2,000USドル(約32万円)以上を証明 および 5万USドル(約800万円)以上の資金を国有銀行の本人名義の口座に預金 および 月額3,000USドル(約48万円)以上の収入または手当の証明 |
申請費用 | 1,300万インドネシアルピア (約12万7000円) |
有効期間 | 5年(延長可能)※滞在可能日数も同じ |
セカンドホームビザ(E33)
2022年12月に施行がスタートしたセカンドホームビザは、インドネシアに5年または10年間の長期滞在を希望する外国人とその家族に与えられる非就労ビザです。インドネシアの国有銀行に資金を預けたり、不動産を購入することが要件です。
主な要件↓ | セカンドホームビザ |
申請年齢 | 年齢制限なし |
資産証明 | インドネシアの銀行に 13万USドル(約2,000万円)以上の預金をする または 100万USドル(約1億6000万円)相当のインドネシア国内の不動産を購入する |
申請費用 | 1,300万インドネシアルピア (約12万7000円) |
有効期間 | 5年(延長可能)※滞在可能日数も同じ |
まとめ
移住を考える際、長期滞在ビザの取得は重要なステップです。私たちも東マレーシア・サワラク州が発行する長期ビザで滞在していますが、各国のビザ要件や申請手続きは、予告なしに変更されることがありますので、最新情報は各国の公式ウェブサイトや現地の大使館・領事館で確認することをお勧めします。ぜひ、この情報が皆様の移住計画の参考になれば幸いです。