海外移住で長期滞在ビザを申請する際、ビザ申請国に求められる証明書の一つに「無犯罪証明書」があります。我が家も家族3人で、東マレーシア・サラワク州が発効しているS-MM2Hビザを申請するにあたり、無犯罪証明書を求められたため、発給申請をしました。家族3人のうち、ビザの主申請者である夫、配偶者として申請する妻の私も無犯罪証明書を取得する必要があるため、夫婦で警視庁に出向き、申請をしました。(8歳の息子は無犯罪証明書の発給申請者に該当しないため不要)私たち家族にとって、知らないことだらけだったので、証明書を受け取るまでの手順や情報をまとめました。
無犯罪証明書とは
犯罪経歴証明書、渡航証明書とも言います。これは、犯罪をしていないことを公的に証明する書類です。渡航する際に外国の公的機関から提出を要求されている場合にのみ発給されます。
この証明書は、お住まいの都道府県の警察本部で無料で入手出来ます。
犯罪経歴とは
警視庁の「犯罪経歴証明書発給要綱」によると「犯罪経歴」とは、罰金以上の刑の言渡しを受けた経歴をいいます。
申請するにあたり注意点
- 申請の際は、指紋を採取するので必ず本人が行く必要がある。(受け取り時は代理も可)
- 14歳未満の方の申請は出来ない。(刑法上14歳未満は罰せられないため)
- 証明書にはパスポート番号が記載されるので、パスポートを更新される方は更新してから手続きする必要がある。
- 戸籍上の氏名とパスポートの名前は同じである必要がある。
- 証明書に対する公印確認、アポスティーユが必要な場合は、外務省へ。 (アポスティーユとは、日本の官公署,自治体等が発行する公文書に対する外務省の証明)
申請の仕方
東京在住の私たちは、警視庁で申請したので、その手順をお伝えします。警視庁の公式サイトによると、「提出先、発給事由によっては、直ちに申請を受理することができない場合がありますので、事前に電話でお問い合わせください。」とあったので、出向く前に電話をしました。
電話:03-3581-4321(警視庁代表)から渡航証明係に繋いでいただき、「S-MM2Hビザ申請のため、無犯罪証明書が必要」の旨を伝えました。ここである程度訪問する時間を伝えておくと着いた時スムーズかと思います。
警視庁 渡航証明係 受付時間
千代田区霞が関2丁目1番1号
警視庁本部庁舎1階(正面玄関受付)月曜〜金曜(祝日、年末年始を除く)
午前8時30分〜午前11時30分 / 午後1時00分から午後4時30分まで
正面玄関受付の方にで待っていると、渡航証明係の方が来て案内してくれます。
申請書類と必要書類について
警視庁のホームページにある「犯罪経歴証明書発給要綱」からも発給申請書をダウンロード出来るのですが、これは下書き程度に考えておいてください。私たちもこちらに予め記入して持参しましたが、結局現場で発給番号のスタンプが押された申請書を改めて渡され、その場で記入しました。
申請書に加えて、この時に持参する書類は、以下の通り。
<日本在住の日本人の場合> それ以外の方は、こちらをご覧ください。
1.パスポート(有効期限内、コピー不可)
2.氏名、住民登録地が確認できるもの
- 住民票(発行から6ヶ月以内のもの)
- マイナンバーカード
- 自動車運転免許証(住所表記が住民登録地と一致の場合のみ)等
3.証明書発給の必要性が確認できる書類
→申請者の氏名が入った大使館からの発給依頼書、招聘状、学校の合格通知、採用通知、赴任命令、雇用契約書など。要求国、理由により異なりますので事前にお問い合わせください。
私たちは、S-MM2Hビザの申請に無犯罪証明書が必要だったので、S-MM2Hの正式な申請書類に必要事項を記入して持参しました。こちらは、下書きでも構わないとのことでした。
指紋採取
指紋は、特殊な機械に1指ずつ当てて、両手の5指全てが採取されます。これは、「犯罪経歴証明書発給要綱」によると・・・
申請を受理した警察本部長は、「指掌紋取扱規則」(平成9年国家公安委員会規則第
13号)及び「指掌紋取扱細則」(平成9年警察庁訓令第11号)(以下「指掌紋取扱規則 等」という。)に規定する方法に準じて、申請者の指紋及び氏名その他申請者を識別 するために必要な事項(以下「身上事項」という。)を電磁的方法により記録し、又 は申請者の指紋を押なつし、及び身上事項を記載した資料を作成して、当該記録又は 資料を警察庁長官に送信又は送付することによりその犯罪経歴(罰金以上の刑の言渡 しを受けた経歴をいう。以下同じ。)を照会するものとする。
警視庁 犯罪経歴証明書発給要綱 第5, 3より
過去に指紋が採取された場合、それと照合するためですが、それと同時に個人を特定する情報として警察に記録されることになります。
指紋が採取された後は、受け渡し可能日(2週間後)を教えて頂き、終了。※年末年始やGWなど繁忙期は、もう少し時間がかかる場合があります。
無犯罪証明書の受け渡し
受け取りは、代表で妻の私が警視庁まで行きました。申請者のどちらも行けない場合には、委任状が必要なので予め連絡するか、もしくは申請の際に伝えておく必要があります。
受け取りの際に必要なもの
- 申請者全員のパスポート
- 証明発給が確認出来る資料(必要と言われた場合のみ)
- 委任状(代理の場合)
受付に、名前と申請時に渡された「発給番号」を伝えると、渡航証明係の方が出てきてくれました。入口で夫と私のパスポートを見ながら、名前を照合したら、茶封筒に入った無犯罪証明書を受け取ることが出来ました。費用を確認していなかったので、伺ったところ、これにかかる手数料は無料でした。
交付された無犯罪証明書について
証明書は5か国語(日本語、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語)で併記し、封緘をした状態で交付されます。
提出機関に提出する前に開封した場合は、無効になります。裏には開かないようにしっかりノリで閉じられています。(下の写真:無犯罪証明書 現物オモテ&ウラ)
提出先によっては、発行からの有効期限があるので注意が必要です。(S-MM2Hビザの場合は、発行から6ヶ月以内)
私たちも入手して約1ヶ月後のマレーシア渡航時に、エージェントに未開封の状態で託すことが出来ました。
他にもS-MM2Hビザ申請に必要な手続きについて、書いていますのでぜひご覧ください。