今注目が集まる「S-MM2H」東マレーシア長期滞在ビザとは？- Head for Kuching〜東マレーシア移住計画〜

マレーシアに連続して90日以上滞在する場合、ビザが必要です。マレーシア政府は長期滞在者向けに3つのMM2H(Malaysia My Second Home)ビザを発行しています。

MM2H (マレー半島) ・・・25歳以上が申請可能(ただし、SEZでの申請の場合21歳〜可能）　
S-MM2H (サラワク州)・・・30歳以上が申請可能
SBH-MM2H(サバ州)・・・30歳以上が申請可能

西マレーシアが発行するMM2H、東マレーシア西部のサラワク州が発行しているS-MM2H(サラワク・マイ・セカンド・ホーム)、そして同じく東マレーシア東部のサバ州が発行しているSBH-MM2H(サバ・マイ・セカンド・ホーム)があります。それぞれ申請にあたり求められる条件が違いますが、西マレーシア(マレー半島）のMM2Hビザは、2021年10月から申請条件である収入や資産の金額が大幅に上がったことで、比較的資産条件の金額が低いS-MM2Hに注目が集まりました。またサバ州でSBH-MM2Hが2024年7月にスタートしたものの、条件に現地の不動産購入が必須であったりと、少しハードルが高いビザとなっています。

以下、私たちが取得したS-MM2Hビザを発行しているサワラク州について、さらにS-MM2Hの申請条件についてまとめました。

なぜサラワクが良い？
S-MM2Hの申請条件とは？

なぜサラワクが良い？

S-MM2Hを管理するサラワク州観光・創造産業・舞台芸術省（MTCP）のサイトで紹介されていた、サラワクで生活をする魅力をいくつか抜粋しました。

生活費
生活費はアジアでも低く、今後も長期間にわたり維持される見込み。政府がインフレ抑制に取り組んでいるため、物価やサービスの価格も低く抑えられています。

気候
ボルネオ、そしてサラワク州は赤道気候の熱帯地方です。一年を通して暑く湿度が高いですが、日中は23℃から32℃の範囲で安定しています。モンスーンが年に2度ありますが、サラワクの気候は比較的一年中安定しています。

インフラ
広大なサラワク州ではありますが、主要な町や都市は交通網で結ばれています。国際および国内の接続に対応した港湾や空港が整備されていて、主要都市間や近隣のサバ州、ブルネイ、インドネシアと繋がる道路網が構築されています。クチンからサラワクの主要都市、さらにブルネイを経由してサバ州まで繋がるトランス・ボルネオ・ハイウェイもあります。

政治の安定
マレーシアは世界でも有数の政治的に安定した国の一つで、現在の政府は、世界で最も長期間続いている自由選挙で選出された政権です。サラワク州は、マレーシアの構成州の一つであり、州首相が統治しています。

宗教・文化・言語
マレーシアの公式宗教はイスラム教ですが、サラワク州ではイスラム教は本土ほど普及しておらず、州として他の宗教を信仰する自由も認められています。サラワクの人口の約26％がイスラム教徒で、約29％がキリスト教徒です。17％は仏教徒や道教徒です。また公用語はマレー語（バハサ・マレーシア）ですが、英語も広く話されています。その他に、中国やインド、イバン、その他の先住民族の言語も話されていて、多様な文化が互いに交わっています。

料理
マレーシアでは世界中の料理が非常に手頃な価格で楽しめます。多様な人種と文化が共存しているため、様々な料理が交わり、マレーシアは「アジアの食の楽園」とも称されています。サラワクの料理はその住民の多様性を反映しており、マレー、中華、インド料理のスパイシーなカレー、そして先住民料理の特色があります。

レクリエーション / 娯楽
家族向けのビーチリゾート、国立公園、野生動物保護区、ジャングルのトレイル、スポーツやウォータースポーツが揃っています。また、サラワクは多文化社会のおかげで、様々なフェスティバルが開催されます。

教育
マレーシアは、公共および私立の教育システムが非常に発達しており、質が高いです。英語を教授言語とする国際的な学校が主要な都市にあり、私立の大学やカレッジも他国の大学との提携プログラムを提供しています。保育園から大学教育まで、質の高い国際水準の教育が手頃な価格で受けられる場所です。

医療施設
効率的な医療システムが整備されており、手頃な料金で医療サービスが提供されています。国際水準の病院や診療所も容易に利用でき、医療施設の充実度は評価されています。

首都クアラルンプールのある西マレーシア、そしてサワラク州のある東マレーシア、それぞれの特徴についてはこちらをご覧ください。⏬

なぜ移住を決めたのか？私たちがボルネオ島の東マレーシアに魅せられた理由

50代の夫、40代の妻、8歳の息子でボルネオ島（東マレーシア）にあるサワラク州・クチンへの移住を準備している３人家族です。ボルネオ島。。。どんな場所なんだろう。「緑に覆われたジャングル」以上の情報がなかった私でしたが、調べていくうちに、どんどんと東マレーシア・特にサラワクの州都であるクチンの魅力に魅かれていきました。

S-MM2Hの申請条件とは？

サラワク政府が独自に発効しているS-MM2Hについて、申請条件をまとめました。(2025年から適用される新基準も記載)

S-MM2H	旧(現行)	新(2025年〜）
申請年齢	30歳以上	30歳以上
定期預金	RM15万(525万円・単身) RM30万(1,050万円・家族）サラワクでの住宅、車の購入、医療、子供の教育の場合のみ、1年後に40％を引き出すことができる。	RM50万(1,750万円) 単身・家族同条件サラワクでの住宅、車の購入、医療、子供の教育の場合のみ、1年後に50％を引き出すことができる。
マレーシア国外の収入証明(年金含む)	月収入単身: RM7,000 (24.5万円）家族: RM1万 (34万円) OR 銀行預金単身: RM5万 (175万円）家族: RM10万 (340万円)	月収入単身: RM1万 (35万円) 家族: RM1.5万(52.5万円) OR 銀行預金単身: RM10万(350万円) 家族: RM20万(700万円)
最低滞在日数	年間合計30日以上	年間合計30日以上 (主申請者のみ)
不動産購入	不動産購入(居住用)は50歳未満の任意申請条件。クチン地区：RM60万(2,100万円)以上それ以外のサラワク州内：RM50万(1,750万円)以上	不動産購入は30歳代以上の任意申請条件。クチン地区：RM60万(2,100万円)以上それ以外のサラワク州内：RM50万(1,750万円)以上 (居住用としての扱いのため、売却は5年間不可）
期間	10年(5年で更新)	10年(5年で更新)、期間満了後に新規申請可能

MTCP 公式ホームページより

経済的条件

申請者は、SMM2Hビザのもとマレーシアに滞在している期間、経済的に自活できるべきとの観点から、以下の資産証明の提示が必要となっています。(以下、現行の要件ですが、2025年から上記表の額へ変更になります。)

必須条件：サラワク州内の銀行で定期預金口座を開設すること 単身：RM 150,000 (約450万円)　夫婦：RM 300,000 (約900万円) 以上

※1RM=30円で計算現在のレートでの計算は、通貨変換ツールをお使いください。　

ビザ取得2年目以降に一部引き出しが可能。(使用目的がサラワク州内での・不動産購入・自動車購入・医療費・子供の教育費に限る。) 引き出した後も、単身: RM90,000（約270万）、夫婦: RM180,000（約540万）以上の預金額を維持する必要があります。

上記に加えて、選択条件①か②のいずれか

①マレーシア国外での月収入 単身: RM7,000 (約21万円）夫婦: RM10,000 (約30万円・主申請者の月収※夫婦合算不可) 以上
②銀行預金口座 単身: RM50,000 (約150万円）夫婦: RM100,000 (約300万円・主申請者の口座) 以上 ※主申請者名義なら複数の銀行の合算可能、日本での定期預金額でも可

銀行の預金額を証明する書類が出来た後、その預金を必須条件であるサラワクの銀行での定期預金口座に足して該当額を満たすことも可能なようです。

申請年齢別条件

30歳〜39歳	40歳〜49歳	50歳以上
下記いずれかの条件 ①18歳未満の子どもがサラワク州内で教育を受けている場合 ②サラワク州で長期療養中であり、その病状がマレーシア医療審議会に登録された病院の医師による証明がされた場合	下記いずれかの条件 ①18歳未満の子どもがサラワク州内で教育を受けている場合 ②サラワク州で長期療養中であり、その病状がマレーシア医療審議会に登録された病院の医師による証明がされた場合 ③サラワク州内のRM 600,000以上の不動産(特に居住用)に投資していること	左の条件は必要ありませんまた50歳以上の申請では、配偶者は年齢制限なし